創業準備期間にやっておいて役立ったこと ~振り返り~Ⅱ
起業後に色々と判ってきた現実もあります。
セミナーや授業では教わることがないリアルがいくつもありました。
何しろこれまでの人生では会社員の経験だけなので、起業では初めての事が多くあります。驚き、困惑、感動、なかなか良い経験になりました。
まだ起業後2年の経験値ではありますが、いくつかの気付きポイントをご紹介したいと思います。
銀行口座の開設
銀行口座は銀行に印鑑持っていけばすぐに出来るものだと思っていました。
「個人事業主屋号口座」「法人口座」これらを開設しましたが、なんと!
新会社の口座開設はとても時間がかかります!
個人事業主で開業のときは、創業融資も併せての手配だったので、事業計画書の提出や面談も合わせると3~4回銀行に足を運びました。期間はトータルで40日くらい掛かりました。
法人口座は開設に2週間、融資返済口座の変更に3週間くらい掛かっているので、こちらもトータル40日くらい掛かりましたね。
これから始動していく会社には実績と信用がまだないので、銀行内の申請や審査に時間がかかるようです。仕方が無いことなので、もし取引先からの入金や支払い送金などが急ぐ場合は逆算して開設準備を動いたほうが良さそうです。
銀行とのお付き合いも大概はゼロから話が始まる事になる思うので、関係性を作るのに時間がかかるのは当たり前、という事を改めて理解しました。
融資・借入
融資についても、銀行口座開設と同じような手順であると思われます。
「日本政策金融公庫の創業融資」と「立川市の創業融資S」で借入手配を動きましたが、まず審査や手続き申請に3~4回足を運びました。その後は40日くらいで審査が完了して、入金されたのは60日後くらいでした。
各所で担当者に事業計画書を提出し、面談を受けます。事業計画書も見る人により捉え方がさまざまなので深掘り説明するポイントについても多様になってきます。書類の修正を求められたり、詳細情報の追加を言われることも有ります。
先ずは、目の前の担当者に自分の事業の最初の理解者となってもらわなければならないのです。今思うと、時間が掛かるのは当然ですよね。
立川市では「創業塾」や「創業支援セミナー」を受講して「特定創業支援等事業を受けた創業者の認定書」を受け取ると、優遇措置の申請が可能でした。
優遇措置内容は下記の通りです。
株式会社または合同会社を設立する場合、登記にかかる登録免許税が半額になります。
・株式会社の最低税額15万円の場合は7.5万円の減免。
・合同会社の最低税額6万円の場合は3万円の軽減。
★しかし有効期限は認定書発行から1年以内です。私は法人化が1年半後だったので使う事が出来ませんでした・・・
創業資金の借入のときに他の資金よりも安い金利で融資あっせんを受けられます。
私がうけたのが「創業融資S」で金利の1.60%のうち、市が1.40%を負担してくれるというものです。創業者の金利負担は0.20%になります。
創業者にとってとても助かる融資になり、素晴らしい創業支援策だと思います。
立川市だけではなく各市町村の自治体でこのような創業支援があると思いますので、調べてみてください。創業塾やセミナー受講でこのようなメリット得られるものがあります。
金利のメリットがあっても直ぐに融資を受ける必要が無い、という考えの人もいると思います。必要になった時に借りればいいのさと。確かにその通りです。
融資を受けてみて、私が感じたデメリットは、「融資は、初回の申請に審査などでとにかく時間が掛かる」という事です。
一度、取引を開始して、返済の実績を作ったり、人間関係を構築して、自身や会社の信用を得られれば、次回の機会は手続きが早くなります。
資金繰りに困ることは突然起こります。大きな発注を取れた場合や雇用や機材を増やして事業を拡大したいタイミングなど、チャンスのタイミングを逃したくない時があります。
そのような時に、初めての取引になると、すぐに資金が準備出来ません。資金繰りに困る結果になるかもしれません。
近い将来に取引可能性のある近くの金融機関や金融公庫とは、ご挨拶程度の借入でも構わないから、取引実績を作っておくほうが良いのではないか!?と私は考えるようになりました。
異業種の人の繋がり
起業準備期間には、創業準備している方々と出会う機会が多くあります。
業種や事業内容は違えども起業するという目的が同じなので、初対面でも会話は弾む傾向にあります。起業するという意志のもと動いている方々は「伝えたい」「聞きたい」という感情表現が前に一歩進んでいる人が多いのかもしれません。
その頃に出会う方々は、いろんな意見を言ってくれたり、情報を与えてくれたりするのでとても良い仲間になります。
会社員時代は話したこともない異業種の方の話を聞いて、興味深いところや感心するところがあります。お互いに相手の業種のイメージを言ったり聞いたりしていると、自分が当たり前だと思っていた業界の常識の誤認に気付かされたりします。
こういった気付きは事業の良きヒントになり得ると思います。
「こうやっているのかと思った」「こうすればいいのに」「なぜこれが無いのか?」なかなか聞ける意見ではないですから。貴重なアドバイスが聞けてしまう訳です。
私自身も、異業種からのアパレル製造依頼を受けるきっかけとなりました。
創業準備期間は人の繋がり・出会いのチャンスです。この大きなチャンスを逃す訳にはいきません!
人との出会いが起こりやすい起業準備期間は、環境に恵まれることが多く、動けば動くだけ何かしら得られることがありました。
その瞬間を一生懸命に動いてみる価値があると思います。
そしてその後、人と人の繋がりの大切さを改めて実感することが出来ました。
これからも興味有るコミュニティやセミナーは一度は参加するようにします。