地域のアパレルニーズ、奥多摩古民家再生ホテル Satologue

BLOG & INFO

ブログ

地域のアパレルニーズ《奥多摩古民家再生ホテル Satologue》

5月25日、古民家再生ホテル事業の「Satologue さとローグ」がグランドオープンしました。

ホテルは、奥多摩の古里駅と鳩ノ巣駅のちょうど中間くらいの川沿いにあります。

ホテル裏手の小さな滝から流れ込むせせらぎの音が聞こえ、山葵田とビオトープが庭園のようになっています。

清流の水で整うフィンランド式サウナ「風木水」と、地産野菜とジビエを使ったフレンチが美味しいレストラン「時帰路」。

都心から一番近い田舎でゆったりと過ごせるラグジュアリーホテルが完成しました。

弊社は、この「Satologue サトローグ」のアパレル制作に関わらせていただきました。

■Satologueとの出会い

弊社は法人化する少し前、「多摩イノベーションエコシステム」というスタートアップ支援・コミュニティ作りでイノベーションを起こし続ける好循環を作ろう!という取り組みに参加しました。

ワークショップに参加していたあるとき、《株式会社さとゆめ》と《東日本旅客鉄道株式会社》が共同出資で設立した、沿線を一つのホテルに見立て沿線を活性化する”沿線まるごとホテル”事業をおこなう「沿線まるごと株式会社」会田様と出会いました。

立川・多摩の地域で地域に根差したアパレルメーカーにという弊社の思いを理解していただき、「Satologue」のホテル滞在着の制作に関わらせていただくこととなったのです。

4月のホテルオープン予定に向け、10月より打ち合わせが始まりました。

■Satologueイメージの具体化

Satologueには、good stepsの巽プロデューサーがいるので、イメージの軸がはっきりとしていました。

そのため「奥多摩のラグジュアリーホテルに合う滞在着」を具体化していくことにそれほど大きな苦労は有りませんでした。

デザイン主旨は、和テイストにならないよう、着用してリラックスができるフォルム。ネックまわりの露出は控えめにして、お尻が隠れるように前後差のあるデザイン。パンツはモンペのように見えないような絶妙にテーパードしたシルエットで。

ホテル館内着には忘れ物防止のためポケットは付いてないのが一般的ですが、Satologueは近所の散策に出かけることも考えて、パンツにはポケット有りと決定しました。

いろいろなこだわりポイントがありますが、修正サンプルを上げるごとに改善され具体化していきます。

なかでも時間を掛けたのは滞在着に使用する生地の選定でした。

クリーニングで利用されていく滞在着は耐久性が必要なので、ホテル館内着はできるだけシワになりにくい低コストで手配可能なポリエステル素材を使用していることが多いです。

最初はT/R素材(ポリエステル/レーヨンの混紡)で、風合いが綿タッチなものを選んでサンプルを上げましたが、Satologueのイメージに少し合わないようでした。

綿100のダブルガーゼもホテルで使われていることが多いですが、これも違う。

天然素材で風合い重視、シワ感も味として考えようと、最終的に麻100素材が採用となりました。

生地の染色は「深いグリーン」を幾つかビーカー依頼して確認を進めました。

ブランドネームも同じ深いグリーンを基調にした織ネームを制作手配します。

ボタンはミリタリー調の4つ穴ツヤ無し20㎜釦を中国で作りました。ぱっと見た感じにも良い影響が出ていると思います。

■中国縫製工場や生地屋、付属屋の協力

Satologueはまだ1軒目のホテルです。グッズはまだ多くの数量を必要としていません。

麻100の生地、ミリタリー調の釦、織ネームなどを全てオリジナルで手配する時は、製造に必要なミニマム数量を満たしておりません。

中国の生地屋、付属屋、副資材屋、皆さんが協力してくれることで手配可能となり、こだわりの1枚の滞在着が完成しています。

サンプル制作に入るときに、中国のそれぞれの取引先の社長に、日本での古民家再生ホテル事業について説明をして協力を要請しました。

彼らが何に共感してくれているかは判りませんが、この滞在服製造について協力することを納得して進めてくれています。

他の洋服の製造過程にも同じようにストーリーがあるとは思うのですが、この国を越えた見えない繋がりがあって製品が完成していくこと。これがモノ作りの面白さであると感じるところです。

想いの伝達はとても大切ですね。この積み上げがブランディングに繋がっていくのでしょう。

企画デザインにおいて、細かいところまで考え抜かれたサイズ感バランス、色や付属、仕様面、は人が見た瞬間や人が着用した瞬間に伝わると思います。

Satologueの皆さんで考え抜いて作り出したアパレルグッズは、ホテル訪れた方々にもその想いが伝わり、ラグジュアリー感となり、Satologueブランドとして認識されるのでしょう。

この古民家再生ホテル事業に関わることが出来て良かったと思います。

オリジナルアパレル制作で、地域企業のブランディング向上のためにお役に立てることがあります。

立川・多摩地域の事業者の皆様、どうぞよろしくお願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2023 タチカワファッションラボ All rights Reserved.