競馬の騎手の体重管理はなぜ重要?体重制限の規定と管理方法を紹介
競馬の騎手は、馬の性格や体調を把握し、馬と協力して最高のパフォーマンスが発揮できるよう、日々のトレーニングに励んでいます。その中でも、騎手の体重管理は、良い状態でレースに臨むために欠かせない重要な要素です。本記事では、競馬の騎手がなぜ体重管理に真剣に取り組む必要があるのか、体重制限の具体的な規定は何か、そして騎手がどのように体重をコントロールしているのかについてご紹介します。
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騎手の体重制限の規定
競馬の騎手にとって自身の体重は、レースの勝敗を左右する重要な要素であると同時に、レースに参加できるかを決める基準にもなります。また、競争において公平性と安全性を保つために、騎手はレースごとに設けられている体重制限の規定を守らなければなりません。
斤量とは
騎手の体重制限の規定に大きく関わるのが、「斤量(きんりょう)」というものです。斤量とは、競馬で馬が背負う負担重量のことを指し、騎手の体重や装備、馬に装着する馬具の重さが全て含まれます。斤量は、レースの種類や競走馬の実績、騎手の経験年数・性別などによって異なります。騎手は、レースごとに与えられる斤量に合わせて体重を調整しなければなりません。
騎手の平均体重
一般的に競馬の騎手の体重は、軽いほどレースで結果を残すのに有利だと言われています。なぜならば、騎手の体重が軽ければ、馬にかかる負担が減り、馬のパフォーマンスを最大限に引き出すことができるからです。
騎手の平均的な体重は45~52㎏程度ですが、さまざまな要因により斤量は異なるため、それに合わせて騎手の体重も異なります。例えば、若手騎手の場合、レースによっては3㎏の斤量ハンデが与えられることがあります。この場合、若手選手は、斤量のハンデに合わせて他の人たちよりも体重を減らさなければなりません。
体重超過によるペナルティー
騎手は、競走前と競走後に体重を測定し、斤量を超過していないか調べる必要があります。万が一斤量をオーバーしていた場合、その超過程度に合わせて「再教育」「過怠金・戒告」「騎乗停止」といったペナルティーが課せられます。「再教育」は、加算された制裁点が30点を超えると行われ、体重管理に関する知識や騎乗技術を指導します。
「過怠金・戒告」は、金銭的な罰則や騎手に対する戒告が発令されることです。「騎乗停止」は、騎手にとって最も厳しいペナルティーであり、一定期間レースに参加できなくなります。このようなペナルティーは、調教師や馬主との信頼関係にも影響を及ぼすため、騎手は、日頃から体重管理を徹底して行わなければなりません。
騎手の体重管理方法
騎手は、レースごとに与えられる斤量に基づいて体重をコントロールする必要があります。それぞれ独自のトレーニングやダイエット方法を持っていますが、ここでは、代表的な体重管理方法を2つご紹介します。
サウナに入る
騎手が体重を管理するために使用する手段としてよく知られているのが、サウナです。JRA(日本中央競馬会)のトレーニングセンターにあるサウナは、24時間いつでも使用できます。騎手は、時間があればサウナに入り、レースに向けて減量を行います。
徹底した食事制限を行う
騎手の体重管理において、徹底した食事制限は欠かせない要素です。食事の取り方や食べる物は、騎手によって異なりますが、一般的に以下のような方法で体重をコントロールします。
- 1日2食か1食にする
- 食事内容をバナナやゼリードリンクなどにする
- 炭水化物を控える
- 野菜を多く食べる
競馬の騎手になるには、徹底した体重管理が必要
今回は、騎手の体重制限の規定や体重超過により課せられるペナルティー、体重管理方法についてご紹介しました。騎手の体重は、レースの結果を左右するだけでなく、調教師や馬主との信頼関係にも影響する重要な要素です。レースごとに与えられる斤量に合わせて体重をコントロールするのは大変ですが、競馬選手になるには、サウナや食事制限など、自分に合った方法で徹底した体重管理が求められます。