馬が甘えるって本当?感情を表す仕草やその意味を徹底解説
馬は感情表現が非常に豊かな動物であり、他の動物と同じように甘えたり怒ったりします。馬の気持ちが表れる仕草が分かれば、馬との関係性がより良いものになると思いませんか?そこで今回は、馬の仕草の持つ意味を解説します。馬と良いコミュニケーションを図るために大切な情報をたっぷりとお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
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馬は感情表現が豊かな動物
馬は、非常に感情表現が豊かな生き物だといわれています。もちろん喋ることはできませんが、嬉しい気持ちのときや甘えたいとき、警戒しているときを比較すると、仕草や表情が全く違います。
馬の気持ちを知りたいときは、各パーツや動作をしっかりと観察してみましょう。目や耳、鼻、または動作に決まった動きが見られます。馬と仲良くなるためには、仕草と感情の関連性についての理解を深めることがとても重要です。
馬が甘えるときに取る行動
ここでは、馬が甘えるときにする行動を解説します。
頭や鼻をすりよせる
うっとりと目を細めて、頭や鼻をスリスリと寄せてくるときは、甘えているサインです。馬は記憶力の良い生き物なので、いつもお世話をしてくれる人や優しく接してくれる人を覚えています。穏やかな表情で頭や鼻をすり寄せてきた場合は、心を開いてくれていると考えても良いでしょう。
しかし、頭や鼻がかゆくて擦り付けてきているだけのケースもあります。普段の行動や関係性をよく見極めて甘えているのかどうかを判断してください。
前掻きをする
前掻きとは、前足を地面に叩きつける仕草です。不満や欲求不満、痛みを訴えているときにも見られる行動ですが、甘えたいときにも見られます。病気の発見が遅れてはいけないので、慣れないうちは詳しい人に見極めてもらいましょう。また、前掻きをしているときは、足を踏まれてしまわないよう十分注意を払ってください。
身体や手を舐めてくる
馬が、人間の身体や手を舐めてきたり、口でハムハムしてきたりするときは、構ってほしくてちょっかいをかけているのかもしれません。ときには、甘えがエスカレートして甘噛みしてしまうこともあるため、十分注意しましょう。
馬の感情を表す仕草と意味
ここからは、馬の感情を表す仕草とそれぞれの意味をご紹介します。馬の気持ちを知りたいときに、参考にしてみてください。
耳を後方に倒したとき
馬は、野生で狙われやすい草食動物です。そのため、できるだけ早く情報をキャッチして外敵から身を守るために、左右の耳を自由に動かすことができます。耳を後ろに倒すのは、怒りや不快感を感じているときの仕草です。自分が馬に何をしたか、環境が整っているかなどを確認し、原因を突き止めてみましょう。
前から見えないほどに耳を大きく伏せている馬はかなり気が立っているため、後ろ足で蹴られたり、噛まれたりする危険性があります。
耳を立てたとき
前をしっかり向いたまま耳をぴんと立てている場合は、視線の先にあるものに対して関心を持っています。馬は非常に繊細で臆病な生き物なので、知らない物や音に対して警戒心を抱きます。耳を立てた状態でじっと何かを観察しているときには、ゆっくりと声をかけて落ちつかせてあげましょう。
尾を上げたとき
他の動物と同じように、馬の気持ちもある程度は尾の動きで判別できます。尾を高く上げたときは、うれしくて気持ちが高まっているサインです。そのような時は表情も穏やかで、リズムよく駆け回っていることも多いでしょう。後足で蹴るような仕草も見られることがありますが、テンションが上がっているだけで悪気はありません。
また尾を上げているのと同時に、顔の位置も高くして耳を立てている場合には、知らない人や物に警戒しているときです。尾だけではなく他のパーツや馬の表情もチェックして判断してください。
尾を巻いたとき
後ろ足の間に尾を巻き込んでいるときは、不安や恐怖を感じています。ゆっくりとした低い声で声をかけ、リラックスさせてあげてください。できるだけ刺激を与えないよう、素早い動きや大きい音も避けましょう。
口元が動いているとき
成馬が、食事中ではないのに口をモグモグと動かしたり、舌をペロペロしたりする仕草をチューイングと呼びます。チューイングは、相手に対して「従います」という服従の気持ちを持っているときに見られます。馬に乗って指示を出したときにチューイングの仕草が見られたら、あなたの出した指示に納得してくれたサインです。
また仔馬が口元を動かす場合、チューイングとは少し異なる意味合いです。これはスナッピングと呼ばれる仕草で「威嚇しないでほしい」「私は弱くて無害です」というメッセージを含んでいます。
口元が半開きになっているとき
馬が口元を緩めているときは、リラックスした状態をキープしている証拠です。眠いときやくつろいでいるときは、微笑んだような目をしながら徐々に口元が緩んでいきます。逆に、口元に緊張感が感じられる場合は、何かに集中している証拠です。馬が一生懸命走っているときは、口元をぐっと噛み締めています。
頭が下がっているとき
馬の感情は、頭の高さによっても判別できます。馬の頭の高さは、集中レベルに比例しているため、注意して見てみましょう。レースに参加する競走馬は、頭の位置を高く保っています。一方、放牧中にのんびりとしている馬は基本的に頭の位置が下がっていることがほとんどです。
そのため、頭が下がっている場合は、心がリラックスしている状態だといえます。ただし、馬に乗っているときに頭をぐんと下げる仕草は、命令を拒否したいと言う気持ちが表れているため要注意です。
一般的な馬の性格
もちろん馬の性格にも個性があるのですが、ここでは、馬の一般的な性格をご紹介します。
少し臆病
多くの馬は、警戒心が強くデリケートな性格をしています。馬は草食動物に分類されるため、肉食動物に食べられてしまう危険性を常にはらんでいます。そのため、いち早く異変に気が付いて外敵から身を守るため、身体の構造が進化しました。
身体面が遂げた進化と同様の理由で、敏感な性格をしている馬も少なくありません。些細な音に敏感な馬には、イヤーネットやメンコと呼ばれる耳をカバーするためのアイテムを使用することもあります。
のんびりしている
優しくてのんびりした性格の馬も多く見られます。このような性格の馬は、急に激しい動きをしたり、暴れたりする心配がないため、乗馬初心者の方が練習で乗る機会が多いでしょう。また、アニマルセラピーの1つである、ホースセラピーなどの場面でも活躍しています。
いたずら好き
馬の中には、いたずら好きの子も多く見られます。心を開いている相手に対して、顔や体を擦り寄せたり、ちょっかいをかけたりして、「遊んで欲しい」と懸命にアピールしてきます。相手をしないと、いたずらがどんどんエスカレートしてしまうケースもありますが、ダメなことを毅然とした態度で伝え、しっかりと対応してください。
馬に好かれる人と嫌われる人の特徴
ここでは、馬に好かれる人と嫌われる人の特徴をそれぞれご紹介します。
馬に好かれる人
馬と早く仲良くなれる人の特徴は、安心感があり馬を喜ばせたいという気持ちを持っていることです。人間関係も同じですが、一緒にいるときに嬉しい気持ちになったりリラックスできたりすると、相手との距離が縮まります。馬が喜んでいるかどうかを知るためにも、仕草やその意味を知ることが大切です。
馬に嫌われる人
馬に嫌われる人の特徴は、馬にとって嫌なことばかりすることや動作が荒々しいことです。本人は冗談で馬をからかったつもりでも、馬にはそれが伝わらず不快感だけが残ってしまいます。馬を興奮させることや嫌がることはやめて、できるだけストレスを与えないようにしましょう。
馬の感情表現を覚えて、競馬をもっと楽しもう
馬の感情を表す仕草やその意味を解説しました。馬の気持ちを理解することができれば、競馬や乗馬などを通した馬との関わりがさらに楽しいものとなります。馬の表情や仕草には、個体差による癖もあるため、日ごろからよく観察しておくことも大切です。ぜひ本記事の内容を、観察のためのヒントに活かしてみてください。