地域に貢献できるアパレルメーカーに
タチカワファッションラボは社名の通り、東京都立川市にあります。
この近隣で会社を構えるアパレルメーカーは少ないです。イメージ通りであれば、アパレル関係は東京でしたら渋谷区・港区・中央区を所在地にしている会社が多いのではないでしょうか。
当初、立川で活動していっても営業に支障が無さそうという観点から、住み慣れた街を活動の拠点に考えたのがきっかけでした。それほど深い意味はありませんでした。
立川近隣で知り合った異業種の方々と話しをしていると、アパレル業についても興味を持っておられる方が意外に多いです。意見や質問も色々とお聞きすることがあって、弊社の活動方向性に大きな気付きをいただく事になりました。
その内容をいくつかまとめてみました。
①オリジナルの服を作るにはだれに頼んだらいいの??
プリントTシャツであれば、ネットで検索すると手頃な値段で簡単に依頼を進めることが出来るサイトが多く出てきます。
それ以外、ジャケット/ブルゾン/パンツ/スカートやバッグや雑貨になると、それほど一般的な感じで検索結果が出てくる感じではありません。
確かにTシャツ以外になると、オリジナル衣料品の少ロットでの手配はその方法がわかりづらいです。似寄りの商品を扱っているアパレルメーカーに直接交渉することくらいしか思い浮かばないのではないでしょうか。
要するに、いまのところオリジナル衣料品の製造手配はあまり身近なものではなく、依頼先も少なくどこに頼んだらよいかもわからない状態。まだまだ一般的なものになっていないという事です。
自社の作業に使い勝手の良い作業着をオリジナルで作りたいとき。営業用のブルゾンをコーポレートカラーのイメージで作りたいとき。祭り用の鯉口シャツをオリジナルで作りたいとき。作業用のエプロンをオリジナルで作りたいとき。作業バッグを従来使っている物よりバージョンアップさせてオリジナルで作りたいとき。夏の猛暑の中のイベントTシャツで使い勝手の良い素材とサイズ感にしたいとき。
この1年でも、上記のようなご相談をいただいて、具体的に製品の手配を始めた案件がいくつかありました。
私自身も、会社員時代はファッションブランドで販売する衣料品を製造するビジネスだけしかやってきていなかったので、「異業種からのアパレル要望」には全く目を向けておりませんでした。要望がある事にも気が付かなかった…。
②服を作るにはどのくらい時間が掛かる?どんな手順になりますか?
あと、オリジナル衣料品を手配進めていって、納品までどのくらい時間が掛かるのか?何回くらい確認打ち合わせをしなければならないか?これについても当然皆さんご存じではありません。
製造を進めるには、まずサンプルを作成し、イメージ合うように修正していく事で完成品に近づけていきます。「1stサンプル→2nd修正サンプル→3rd最終確認サンプル」と、平均3回位のサンプル作成と、上がったサンプルを確認してもらう打ち合わせが必要になります。その間だいたい45日くらい掛かります。海外工場とのサンプル輸送往復の時間や打ち合わせなどで時間が経過していきます。
サンプル確認が進んでいくのと同時に、生産数量を決定し発注オーダーを入れていきます。そこから生地付属などの材料手配や裁断縫製などの生産作業に入って行くわけです。工場で製品が上がるまでは平均で30~45日が掛かります。(オリジナルの生地手配があれば更に生地製造の時間が必要になります)
このように、企画打ち合わせから製造までで90日くらいが最低限必要になります。その後、船便や航空便を利用して輸入する。その輸送にも何日かが掛かります。
先ほどの衣料品の要望の話しをもらった時も、必要なオリジナル衣料品についてさまざまなスケジュール希望を言われました。「一週間後に必要なんです!」「急いだらいつ納品できる?」「急いでいないけど、手配してみたい!」など状況はいろいろあります。
一から進めていってスケジュールが合うものは特に問題無いのですが、製造に掛ける時間が無いものは時間短縮の代替案をご相談します。
例としては、どこかでベースとなる製品を仕入れて、その製品にプリント・二次加工をする事でオリジナル性を出して問題が無ければ、そのような超特急の手配方法で進める方法があります。
オリジナルで製造するには最低限の時間が必要ということをお伝えして、出来るだけ満足のいく製品を作成するためのスケジュール組み打ち合わせをする事がオリジナル商品手配のスタートになります。
③近隣地域でアパレル要望を請ける意義
日々、身に着けるものは、着る人自身やまわりの仲間に影響を与えるものです。
日常の服はもちろん、仕事場での制服や作業着についても、色やデザイン・服の仕様や使い勝手により、気持ち面の向上や作業効率を上げたりします。近年では原料や付属の進歩で機能が良い影響を与えることも可能です。
既製品では得られない、各々の会社や団体のニッチな要望に応えるオリジナル衣料品が、良い影響を生み出すきっかけ作りになります。
製品の完成までは数回の打ち合わせ商談が必須ですから、お互いに商談に向けた時間調整が必要です。ご近所であればその時間合わせがタイムリーに作り易いと感じました。お客様は本来通常の仕事に掛ける時間を最優先しなければなりません。ツールである衣料品の打ち合わせには空いた時間を使い、手間が掛かると感じないほうが良いと思っています。
「オリジナル衣料品の手配は簡単なんだ」という事を感じてもらって、自分達のカラーを出すことの期待感やその効果について認知してもらいたいと考えます。
オリジナリティを表現することは、差別化/価値観を打ち出すうえで最も大切な事だと思うのです。
近隣地域でのオリジナル衣料品の活性化の活動は、地域創生のちょっとした手助けになり得る、地域貢献になるのではないかと信じています。
ご意見やリクエストなどありましたら教えて頂きたいです。
どうぞよろしくお願い致します。