中国広州アパレル製品(十三行製品市場)
今年の1月に中国広州に出張に行き、広州の十三行にある製品市場で現地のエージェントと会って話しをしました。いろいろな店がある製品市場で商品を取りまとめてもらい、私が長年アパレル製造の拠点としている南通で製品の検品を行うというルートを確立するためでした。
その商流を用いて、日本のクライアントと4月に広州に同行し、いくつもの店で製品をセレクトしました。帰国後の検討も終わり、4月末に発注を入れました。6月初旬には店頭に並ぶことになっております!非常に楽しみ。
今回はその広州アパレル製品について書いてみようと思います。
中国製品市場のアパレル商品の現状
最近の中国アパレル製品は、想像以上にデザインが良いものが多いです。2年ほど前にタオバオのサイトを見ていて人気ブランドのオシャレさに気付きました。デザインレベルが非常に高いのではないかと感じました。それから、中国のアパレル製品が日本で売れる可能性を感じて準備を進めてきました。
市場製品の縫製品質は昔より格段にレベルが上がっています。それは何故でしょうか?やはり中国でもEC販売の売上比重が高まっていて、デザイン競争力が必要なのはもちろん、品質レベルも求められています。中国では徹底的にサイトを検索して比較して、商品が届いても見て気に入らなければすぐ返品するのはごく普通の事のようです。品質悪い服を作っていては返品されるばかりになるのでしょう。
デザイン面については、以前に広州メーカーの方と話したとき、「企画にデザイナーが10人いる」「欧米のデザイナーとも契約している」など、企画デザインに対して投資しており、力を入れている事が強く感じられました。
広州の十三行にある製品市場「NEW CHINA PLAZA 新中国大廈」では5坪ほどの小さなお店がフロアーにひしめきあっています。広州近隣のアパレルメーカーが出店しています。
その5坪ほどの小さなお店の家賃に驚きました。なんと!月に10万元!日本円で200万円です!それほど高い家賃をPAYできるほど売れるから入居するのでしょう!新中国大厦での競争力・販売力を考えると、売れ筋商品を生み出す企画の情報取集レベルが高く、そのスピードも速いのだと思います。
品質については、全ての商品レベルが上がっている訳では無いので、あくまでも昔より平均点が上がっているよというニュアンスになります。日本での販売に向けては、輸出前に製品の第三者検品を行い不良品を発見していかなければなりません。
あと、製品市場であれば中国のどこでも賑わっていて感度良い商品があるというわけではありません。広州で「白馬/天馬」は人もまばらで昔ほどの賑わいが有りませんでした。上海の「七浦路」も行きましたが同様に良い印象ではありませんでした。
十三行は多くの人で賑わい活気があります。新中国大廈の5坪くらいの小さなお店の様子。
中国市場アパレル製品手配の良い点・悪い点
良い点
・デザインの参考になるものが見つかる。参考サンプル購入に使える。
・小ロットで生産するより、製品仕入れの方が効率が上がるかも。
・少量で仕入手配してすぐに試すことが出来る。
・日本向けではそれほど販売されていないので、商品のバッティング可能性がまだ低い。
悪い点
・縫製不良や生地不良を検品する必要がある。
・中国メーカーからは先払いを言われがち。なかなか検品後の後払いに応じない。
・商品の画像だけでオーダー決めるように言われがち。(日本から頼んだ場合)
・輸出に向けて、税金や伝票発行の問題が起こりやすい。
対応方法
・必ず日本向け取引をしている中国貿易公司などに中間に入ってもらう。
・現地に何度か足を運び、現地エージェントと信頼関係を作りながら、取引を進めていく。
4月初旬の広州十三行製品の画像をいくつか
販売しているお店は小さくて見た目の印象が良くありませんが、上記掲載の写真のように、それぞれのお店メーカーが販促画像を綺麗に撮影して持っていることが多いです。このような販促画像がある事も我々にとっては使い勝手が良いのではないでしょうか⁉
中国製品市場への思い・考え
私は本来、企画製造卸をしているメーカー側の人間です。このような海外製品仕入を新たに進めていく事はどうかなと思うこともありました。結論としては「変わらなければ」「新しい事をやろう」「素直になってみよう」という気持ちが勝ちました。
この20年間、日本のアパレル業界の市況は緩やかに下がっていっています。時代の変化と共に、服への考え方・購入方法・価値観は大きく変わりました。この変化をどのように受け入れ対応していく方法を求められていると感じています。
中国のシーインは、日本でも若い人を中心に受け入れられています。中国企画製造の服はすでに日本で多く売れているんです!他の中国ブランドを見ても売れそうなデザインが多くみられます!売れそうなデザインの商品が多いです(年寄りはまだ、中国の服とか大丈夫?とか言ってしまいがちですが…)
歴史や実績にとらわれず、ミーハーな心で新しいものを素直に受け入れることがファッションを楽しめて、自然と次の変化につながっていくのかもしれないと信じてます。
という訳で、しばらく中国広州十三行には注目していきます。OEM製造だけではなく中国製品のバイイングについてもスキルUPに努めていきます。