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騎手は女性の方が有利?競馬における騎手の体重の影響について紹介

練習中の女性騎手

1936年に最初の女性騎手が現れてから現在に至るまで、女性騎手は、競馬界で徐々に活躍の場を広げてきました。しかし、競馬界において騎手の男女比を見ると、女性騎手の数の方が圧倒的に少ないのが現状です。女性は、男性に比べて筋力や体力がつきにくく、騎手として不利な面が多いように感じられますが、実は、競馬では「体重が軽い騎手の方が有利」だとも言われています。

そこで本記事では、「競馬の騎手は、女性の方が有利なのか」という疑問に対してお答えします。

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競馬における斤量の影響

騎手の能力に対して性別がどのように影響するのかを理解するには、「斤量」に関する知識が欠かせません。斤量とは、騎手の体重や馬具の重さといった競走馬が背負う負担重量のことを指し、競馬レースの結果に対して大きな影響を与える要因となります。

なぜならば、同じ能力を持つ馬の場合、斤量が重い馬は、軽い馬に比べて背負う負担が大きくなるため、走力が低下し、レースで不利になるからです。このような特徴を持つ斤量は、競走馬や騎手の能力を均等にするために調整されます。レースの種類によって、どのように斤量が与えられるのかはそれぞれ異なります。

例えば、馬齢戦や定量戦では、各馬に等しく斤量が与えられる一方で、ハンデ戦では、出走する馬の能力ごとに異なる斤量が与えられます。競馬において斤量の調整は、競技の公平性を保つためだけでなく、レースをより面白くする鍵であるとも言えるでしょう。

騎手と斤量の仕組み

競馬レースに参加する騎手に与えられる斤量は、レースの種類や競走馬の能力の他に、騎手の経験年数や成績、性別によっても異なります。先ほど、斤量が軽い方がレースで有利になると説明しましたが、実際に、デビューしたばかりの騎手には、競走馬が背負う負担重量が減らされる「斤量の優遇処置」が与えられます。以下の表は、【男女別】騎手の成績により適用される斤量の優遇処置です。

 30勝未満30勝以上50勝未満50勝以上100勝未満100勝以上
男性新人騎手-3㎏-2㎏-1㎏斤量減なし
女性新人騎手-4㎏-4㎏-3㎏-2㎏

このように優遇処置としても扱われる「斤量」は、競馬においてとても重要な要素です。万が一、体重をコントロールできず斤量オーバーしてしまうと、レースに参加できなくなるなど、ペナルティーが科せられるため、騎手は、体重管理を徹底しなければなりません。このような観点から見た時、体重が軽い騎手は、体重制限を達成しやすく、様々な斤量の馬に騎乗してレースに参加できるため有利だと言えます。

女性騎手に対する優遇制度

女性騎手が有利だと言われる理由は、比較的体重が軽いため、様々な斤量の馬に騎乗できるからというだけではありません。競馬ルールには、女性騎手に対して、通常の斤量から2㎏減らした斤量で馬に騎乗できる「負担重量減量制度」が導入されています。こちらの優遇制度は、特別競走とハンデキャップ競走以外の通常の競争にしか適用されませんが、騎手の経験年数や成績に関わらず、永久的に適用されるものです。

一般的に、1㎏の斤量の差で、0.3~0.5秒程タイムが縮むと言われています。そのため、女性騎手に適用される減量制度は、競走馬の能力を発揮させやすく、競馬界において女性騎手の活躍を後押しする取り組みだと言えるでしょう。

ただし、競馬レースは様々な要因により結果が変わるスポーツです。斤量の他にも、筋力やバランス感覚、強い精神力など、優れた騎手として必要な能力は多岐に渡ります。女性騎手に対して優遇処置がある点に関しては、女性の方が有利だと言えますが、そのメリットだけで結果が決まる訳ではありません。

斤量優遇制度によって広がる女性騎手の活躍の場

今回は、「競馬の騎手は女性の方が有利なのか」という疑問に答えるために、競馬における斤量の仕組みに関してご紹介しました。女性騎手に対する優遇制度は、馬が背負う負担が軽減されるため、タイムが縮みやすく女性騎手にとって有利なものだと言えます。

ただし、レースの結果は、斤量だけでなく様々な要因に影響されるため、騎手として男性よりも女性の方が有利だとは言い切れません。しかし、女性騎手が活躍できる場を広げられるという点では、斤量優遇制度はとても魅力的なものだと言えるでしょう。

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