平成のファッショントレンドを振り返る
平成時代、1989~2019年、平成のファッショントレンドを振り返っていきたいと思います。
~平成10年
昭和後期と少し被りますが、主軸としてはギャルファッションの最盛期でした。
厚底、ミニスカート、ルーズソックス、付けまつげ、ハイビスカス、カラコン など。
安室奈美恵に憧れる「アムラー」が多く出現したのが記憶に新しいです。
その他、「渋カジ系」「裏原系」「ヒップホップ」「フレンチ・カジュアル」「グランジ・ファッション」「バンギャル」「コギャル」など
1990年代はファッションテーマが数多く枝葉のように分かれ生まれた年代でした。
メンズでは「APE」「ナンバーナイン」「アンダーカバー」が流行りました。モード系とストリート系をミックスした着こなし。レディスのキレイめでは「アニエスベー」「アーペーセー」などのフレンチカジュアルが。
音楽シーンでもクラブが全盛期となり、ソウルヒップホップ/オルタナティブロック/レゲエに合わせたファッションが人気となりました。「ベンチウォーマー」「バギーパンツ」「チェックシャツ」「古着」「ピタT」など。
~平成20年
レディースでは「赤文字系ファッション」と呼ばれる、コンサバなデザインが流行りました。
名古屋~神戸のお嬢様ファッションをお手本にする「神戸系」と呼ばれるエレガンスファッションが元となっています。
「JJ」「Cancam」「Vivi」などの雑誌がバイブルとなり、雑誌に出る「読者モデル」がもてはやされたのもこの頃からではないでしょうか。
「プレミアムジーンズ」ブームでローライズで様々な加工されたジーンズが数多く登場しました。ブーツカットからスキニーにシルエットの主流は変化していきます。
「ディーゼル」「リプレイ」「セブン」「ヤヌーク」「ペーパーデニム」など欧米ブランドの3万円前後するデニムが流行り一般的となっていました。
男性の方では、雑誌「LEON」で代表される「ちょい悪オヤジ」という言葉が生まれました。昭和バブルを知る40~50代の、ちょっと不良っぽいコンサバな雰囲気で、女性ウケを狙ったファッション消費を掻き立てました。
~平成31年
2010年くらいから、ファッションが大きく変わっていきました。
まず、ファストファッションの流行です。
「H&M」「FOREVER21」「ZARA」「GAP」など海外の低価格でデザイン性の高いブランドが上陸して人気となりました。日本では「ユニクロ」がインナー衣料品の認知度を上げていきました。
リーマンショックの後で、人々が財布の紐を締めがちな状況とタイミングもマッチしていましたが、現在に至るまで衣料品の価格はいこれまでよりは安価になる契機となりました。
ソーシャルメディアの発達もこの頃からでした。
「ブログ」「SNS」でタイムリーな情報を得ることが容易になり、商品の比較も簡単にできるようになりました。たとえ安価な商品でも無駄がないように買い物できる時代となったのです。
ソーシャルメディアから「インフルエンサー」がトレンドに影響を与えるようになってきました。これまで人々は雑誌やテレビでモデルや芸能人から影響を受けることがほとんどでしたが、スマホという新しいツールでいつでもどこでも新しい情報の入手と発信が可能となる時代へと瞬間的な変化があったのです。
世界的にもファッショントレンドは「ノームコア」という、シンプルで色数の少ないベーシックを基調としたデザインが主流となっていきます。
本当に必要な物を適正価格でタイムリーに購入するという、今では当たり前のことが出来るようになり、アパレル業界は全体的に売上数字を落としていく事になります。
いま考えると、ソーシャルメディア発達とともに無駄なことが削ぎ落されていくという普通のことが起こり、変化として感じられたのでしょう。
令和になって
令和に入り、コロナ禍の3年間があり、私達に大きな影響を与えました。
去年あたりから、近年抑えられていたものを開放するような感じで、「デザイン性があり・色数の多い・自己主張がある」雰囲気のファッションが増えています。ファッションに多様性が求められてきているので、また徐々に業界が活性化していくのではないかと安心感があります。
服は感情を表現するためのツールだと思っています。着る服によって自分の精神面に影響を与える大切なツール。だから、他人から見たら無駄と思える服でも自分自身には大切な服となる。自己表現の一環ですよね。
だからファッションに無駄は必要悪ではないかと感じます。もちろん時代としては、サステナブルと上手く共生しながらとなりますが。
これからの時代、どのようなトレンドが生まれていくのか楽しみです。