中国南通出張 ~工場新規開拓~
9月初旬、中国出張に出ました。
弊社はオリジナル商品制作を多品目にわたって生産対応できるように海外生産背景を作っていっておりますが、今回は「帽子」の依頼が入ってくることになりそうなので、その準備として現地訪問を考え出張を組みました。
取引先の協力工場の仲間に帽子工場経営者がいることは以前から知っていました。しかし訪問したことがありませんでした。
最近は小ロット生産を請けることが多くなったため、オーダーを協力的に請けてくれる中国工場を確保していることが、生産進捗の安定感に繋がります。現地訪問して直接話しをするのが一番手っ取り早い方法です。工場経営者と直接会話をして、工場自分の目で確かめることが大切だと考えています。その後投入したオーダーの進行状況や商品品質に大きな問題が起こらなくなります。
色々と便利な世の中になってきていますが、モノつくりにおいては「生産を請けるのもヒト」「生産するのもヒト」なので、発注サイドと生産サイドがお互いに納得して良い関係を築けているかどうかが大事です。常に起こり得る問題解決へのスピード感が違ってきます。
今回の南通出張ではその他、少ロット対応可で値段お高めの原料を扱うニット工場にもアポイントを入れていました。
南通市は上海から北西に150㎞ほどの工業都市です。アパレル関係の多くの工場がある一大拠点となっています。上海空港から車で2時間ほどかかります。最近になり新幹線が開通しましたが、外国人にはチケット手配が難しいのでまだ車で往復しています。
帽子工場
南通市内に帽子工場はあります。初訪問でした。
↑↑キャップの仕上げをしています。
↑↑左はハットの縫製、右はキャップの裁断が終わったパーツになります。
↑↑帽子の実績商品サンプルの中には、最近探していたサウナハットもありました。
帽子は想像していたよりも製造コストは高くありませんでした。使用する生地用尺が少ないからなのかもしれません。単価が安いものなので求められる生産ロットは大きいのは当然なのですが、友人の友人で互いに面識もあったので少ロット生産も対応していただけるという話になりました。
やはり訪問して良かった。
ニット工場
中国への出張者数はコロナ禍前レベルに戻っておらず、南通にはかつての賑わいが無くなっています。中国のアパレル関連の生産工場は売上を落としています。日本から中国への渡航はビザ申請が必要になってしまったのも要因の一つなのかもしれません。そのため、対日取引の拡大に向けた相談をされることも増えてきたように感じます。
今回訪問したニット工場は比較的扱う素材が良いものが多く、お高めな製品が得意な工場でした。そのためこれまで取引をする機会がありませんでした。
事前の話しでは、ウール100やカシミアを小ロットで生産してくれるということなので、訪問して値段や原料手配についても詳しく話を聞くことにしました。
↑南通市街から北東に60㎞の如東ルドンにその工場はあります。
訪問したのは日曜日でしたが、工場は動いており、社長夫婦と仲間夫婦10人くらいで昼食会をしていたのでそちらにも参加しました。
皆さん全員が60代の先輩方でしたので、若手の外国人である私は歓迎のお酒をたっぷりと飲まされました・・・汗
↑↑自社ブランドを製造し国内販売もしているので、工場にはショールームと店舗もあります。近隣地域の方々に喜んでもらえるように工場内店舗ではサービス価格で販売していると聞きました。
中国国内販売している自社ブランドで「カシミア混」や「メリノウール」を使用しているので、その糸値で100枚~200枚の小ロットでも協力的な工賃で請けてもらえるという話になりました。
もともとは日本向けのニット製造工場なので、管理や生産ラインは少し安心感があります。
安価なものばかりではなく、良いものを適量で、時代のニーズに合わせてオーダーを請けていけたら良いかなと考えています。
↑↑左からカシミア100、カシミア混、メリノウール。これらがメリットある素材でした。
カシミアやメリノウールが小ロット生産で比較的メリットある値段で出せるという触れ込みにはなりますが、日本でどのくらいの要望になっていくのかは弊社の営業しだいです。
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とにかく、「利は元にあり」で、弊社は自社工場を持っている訳ではありませんから、製品を作る工場が無ければ弊社の事業は成り立ちません。工場はこちらの要望を具体化してくれる大切な基礎のひとつなのです。
時代の変化が速いので、そのスピードについていかなければ事業が進みません。しっかりとついていけるように今後も出会いを求めて動いていきたいと思います。