馬が走った時の最高速度はどのくらい?1日に走れる走行距離もご紹介
競馬を見ていると、馬が俊足でかけていく様子に目を奪われてしまうことがあるのではないでしょうか?個体差があるといえど、馬がどの程度の速さで走っているのか気になりますよね。そこで今回は、馬が走るときの最高速度をご紹介します。馬が速く走るための要素や、1番速く走れる年齢なども解説するので、ぜひチェックしてみてください。
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馬が速く走れる理由
馬は草食動物なので、野生では常に肉食動物に狙われています。外敵から素早く逃げるため、進化の過程で速く走れるような足の仕組みに変化してきました。人間や猿などは、複数の足の指を使って物をつかめるようになっていますが、馬の場合はその機能を放棄して中指のみが発達し、走ることに特化されています。
馬が走るときの最高速度
馬が走るときの最高速度は、短距離の場合、時速88キロほどだといわれていますが、馬の年齢や品種によって差があります。
走るのが速い馬といえば、サラブレッドを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、サラブレッドは「人間を騎乗させた状態」で「数分間」速く走り続けられるように改良された馬であり、短距離となると結果は変わります。サラブレッドよりも速く走る品種がいると言われているのはこのためです。
馬が一番速く走れるようになるのは何歳頃?
競馬好きの方にはよく知られている情報ですが、馬が1番速く走れるのは4歳頃だといわれています。一般的に競走馬は、人間だと中学生にあたる2歳頃にレースデビューし、経験を積んでいきます。そこから1年間くらいは高校生から大学生くらいに相当し、まだ成長過程です。2〜3歳の頃に十分な経験を積み、身体も十分に発達した4歳頃にプロの競走馬として完成するイメージです。
馬の走り方
馬の走り方は大きく2種類あり、目的に合わせて走法を使い分けています。ここでは、代表的な走り方である「回転襲歩」と「交叉襲歩」の意味を見ていきましょう。
回転襲歩
回転襲歩は、右後ろ足→左後ろ足→左前足→右前足の順番で足を動かして走る方法です。馬にとっては正しい動きではなく、加速がしやすいですが安定性に欠けた走法で、体力が大きく削られてしまいます。スタートダッシュの場面などで用いられることが多いです。
交叉襲歩
交叉襲歩とは、左後ろ足→右後ろ足→左前足→右前足の順番で足を出す走法です。瞬間的なスピードが出ませんが、揺れが少なく安定して長距離を走ることができます。回転襲歩である程度のスピードが出たら、この交叉襲歩を用いて走ることが多いです。
馬が速く走るための要素
馬は速く走るための身体の作りをしていますが、それだけでスピードを出せるわけではありません。馬が速く走るためには2つの大切な要素があるのでご紹介します。
騎手の腕前や相性
レースの走行中、馬は騎手の指示に従って走っています。そのため、騎手の腕前や相性によって速く走れるかどうかが決まるものです。逆に言うと、どんなに優れた競走馬であっても、指示を出すタイミングや方法が悪いと宝の持ち腐れになってしまいます。競走馬をリードして速さを出すためには、その馬の個性や性格をしっかりと理解した騎手でなければなりません。
馬の心臓の能力
スピードを出すためには、馬の心肺能力も大切です。サラブレッドの通常心拍数は30前後といわれていますが、レース中には200前後まで跳ね上がります。そしてレースが終わると、あっという間に元の心拍数に戻ります。それほどまでに強い心臓を持っているからこそ、馬は速く走ることができるのです。
馬の1日の走行距離を歩き方別に解説
人間と同じように、歩く速さによって走行距離は異なります。時速13㎞〜15㎞の「速歩き」を継続できるのは、およそ1時間程度です。速歩きと休憩を繰り返し1日進むと、およそ40㎞〜50㎞の移動ができるでしょう。
次に、時速20㎞〜30kmの「駆け足」だと、30分ほどしか走れません。馬の体力的にも辛くなってしまうため、1日の走行距離は30㎞ほどになるでしょう。
最後に、時速70㎞ほどで全力疾走した場合は、5分ほどで体力を消耗してしまいます。それだけスピードを出すと、その日はぐったりと疲れてしまうため、移動できる距離は5キロほどになります。馬で長距離を移動したい場合は、ゆっくり歩くことがポイントになりそうです。
馬のことを知って、もっと魅力に触れてみよう
本記事では、馬が走ったときの最高速度や1日の走行距離をご紹介しました。馬の品種や走る環境、個体の能力によって、最高速度は異なります。また、騎手の腕前によって速さが左右されることも事実です。ぜひ本記事で紹介した馬に関する知識を頭の片隅に留めていただき、競馬の世界をさらにお楽しみください。